給料や事業・アフィリエイトなどでお金が入り、生活費や趣味・家賃などでお金を使っても、結局月毎の収支を把握されていない方も多いと思います。
私(@CotomonoL)は人様に誇れるようなことは基本的にない人間ですが、唯一のとりえは継続力。一度習慣化したことは余程の理由がない限り継続していきます。
そんな私ですが、一番初めに就職した際に家計簿をつけるようにしました。しかも、複式簿記という少しだけ専門性のある手法を用いて家計簿をつけることで、収支計算や財産債務管理など様々なデータを活かすことに成功しました。かれこれ、15年ぐらい続けている複式簿記を使った家計簿の習慣。これを今回は紹介していきたいと思います。
複式簿記による家計簿のメリット
複式簿記とは何か?どうやるのか?そんな難しいことを説明する前に、まずは複式簿記を使った家計簿のメリットをご紹介します。魅力的なメリットだと分かれば、導入したくなる方も出てくる筈!
メリット・月毎の損益(どのくらい儲かったか)の把握
・月毎の収益(給料や事業収入・アフィリエイト収入など)の把握
・月毎の費用(電話代や光熱費・家賃・税金や保険料・食費・趣味代など)の把握
・年間の損益・収益・費用の把握
・無駄遣いも把握し、節約に繋がる
・現在の資産把握(資産とは現金・預金・有価証券・不動産・ポイントなど)
・現在の負債把握(負債とは住宅ローン残高など)
・月毎の資産・負債の増減の推移の把握
・年間でどのくらい資産が増えたか・負債が減ったかの把握
・資産・負債を把握することで人生設計を立てられるようになる
・お金を貯めていく目標を定めてそれに邁進できる
・預金の増減が分かるので、預金通帳が不要になる
・引き落とされていないクレジット残高が分かる
・お金の流れを追うことで、いつどこで何をしていたかが分かる
・日記の代わりになる
ぱっと思いついた限りでこのくらいメリットがあります。単純に言えば、どのくらい儲かったか・どのくらいお金を持っているのか、その把握をすることで、節約したり貯蓄に努めたりといった効果が生まれます。副次的な効果としては、お金の流れから過去の行動履歴を調べることもできます。
他人に見られずに自分だけが把握しておく分には、かなりメリットのある作業だということがお分かり頂けたと思います。
複式簿記とは何か?
難しい説明より簡単な具体例で、複式簿記が何かをご説明します。
具体例1 友人に10,000円借りた。
この10,000円を借りたという行為は2つの要素で構成されています。
1つ目は現金という資産が10,000円増えたという事実。
2つ目は借金という負債が10,000円増えたという事実。
具体例2 給料を200,000円稼いだ
この取引も2つの要素で構成されています。
1つ目は預金という資産が200,000円増えたという事実。
2つ目は給与という収益(収入)が200,000円増えたという事実。
具体例3 食費500円を払った
この取引も2つの要素で構成されています。
1つ目は現金という資産が500円減ったという事実。
2つ目は食費という費用が500円増えたという事実。
上記3つの取引は全て2つの要素から構成されています。これが複式簿記の基本。2つの要素が1対1の関係で結びついています。
仮に、具体例1~3の人が現金をはじめから10,000円持っていたとしましょう。
そうすると、借入で10,000円増え、給料で200,000円増え、食費で500円減る。よって、現在の現金残高は219,500円となります。
一方、借り入れをすることで負債(返さないといけないもの)の残高は10,000円となります。
また、給料をもらっているので収益は200,000円。一方、食費を払っているので費用は500円。差額の199,500円が損益(儲け)になります。
資産(プラスの資産)と負債(マイナスの資産)、収益(お金が入ってくる原因)と費用(お金が減る原因)と損益(儲け)、これらを集計する手法を複式簿記と言います。
なぜ「複式」というか?それは1つの取引が2つ以上の要素から構成されているから。
普通の家計簿ではいけないの?
これは誰しもが疑問に思うことでしょう。普通の家計簿では駄目なのか?結論を言えば、普通の家計簿でも問題はありません。但し、普通の家計簿では1つの取引で1つの要素しか取り扱いません。
上記具体例3を再掲載します。
具体例3 食費500円を払った
普通の家計簿では、費用として500円を計上します。同じ月の費用を同様に1つ1つ計上していきます。そして、月の諸々の費用の合計額と給料との差額がその月の儲けになります。
その月の儲けは分かりますが、各費用ごとの集計額も不明です。また、複数銀行口座を持っている場合、現時点でのそれぞれの銀行口座残高を把握することすらできません。普通の家計簿だと、資産・負債管理がなかなか難しいです。
複式簿記でなくても、費用集計とかはできるソフトも結構あると思います。しかし、資産・負債の管理までやってくれる家計簿ってあまりなさそうな気がします。(あくまで私の推測。私は複式簿記以外で家計簿をやったことがありません。)
しかし、複式簿記だと、
費用としての500円が把握できると同時に、「現金という資産が500円減った」という事実を把握することができます。資産や負債の増減の流れを追うことができるのが複式簿記の強みです。
資産の増減の流れが分かれば、預金通帳も不要になります。負債の増減の流れが分かれば、住宅ローンの返済がどの程度行われているか・クレジットカードの未払額がいくらあるのか等も把握することができます。
資産・負債・収益・費用、すべての要素が把握できるのが複式簿記です。
複式簿記のやり方
複式簿記のやり方が分からない方は大勢いらっしゃると思います。そんな方が取りうる方法は2つ。1つ目は正攻法ですが少々敷居の高い方法。2つ目は比較的簡単に始められる方法。どちらもご覧いただければと思います。
簿記3級の勉強をする
1つ目は簿記3級の勉強をすること。これが正攻法です。1か月あれば社会人の方でも知識を習得できるレベルで、テキストさえ買えば難しい勉強ではありません。簿記を勉強した上で、後述する会計ソフトを使うことができれば、複式簿記の家計簿は完ぺきに使いこなせると思います。
参考までに簿記3級のテキストを1つ探してみました。
個人事業主や法人が簿記において前提となるため、簿記の勉強では事業主用の言葉が多々登場します(売上・仕入・租税公課など)。ただ、家計簿で複式簿記を使いたいと思っているだけであれば、これらの専門用語を覚える必要はありません。自分が使う言葉(食費・洋服代・教育費など)に置き換えて問題ありません。
会計ソフトを使う
2つ目の方法としては、会計ソフトを使うことです。
簿記の知識ある方
簿記を勉強した方についてはどの会計ソフトを使っても家計簿として利用できると思うので、全く問題ないと思います。
私のおすすめの会計ソフトは弥生の青色申告。格安ながら最低限の機能が付いています。簿記の知識がある人の方であればスムーズに導入できます。
簿記の知識がない方
簿記の知識が全くない方は下記のfreeeの会計ソフトが良いと思います。私はfreeeを使ったことはありませんが、公式サイトによれば、複式簿記の知識のない方が簡単な方法でデータを入力しても、複式簿記の形に変換してくれる機能が付いているそうです。
簿記の知識がない方向けのアプリとして、もう1つソフトをご紹介しておきます。同じく私は使ったことはありませんが、下記の「やよいの青色申告オンライン」も使い勝手が良さそうです。複式簿記に対応して、財産状況も把握することが可能です。
私の家計簿の勘定科目名(参考)
私の個人的な資産内容を開示する訳にはいきませんが、ざっくりと勘定科目の一部を紹介したいと思います。
資産
・現金
・預金
・キャッシュレス
・貸付金
負債
・未払金(クレジットの使用残高)
収益
・給与収入
・受取利息
費用
・租税公課(所得税・住民税)
・支払保険料
・洋服費
・食費
・住居費
・水道光熱費
・接待交際費
・酒代
・旅行費
・趣味費
総括
いかがでしたでしょうか。複式簿記で家計簿をつけると収益・費用・損益、資産・負債の残高や推移などが見える化され、無駄遣いの防止や貯蓄計画など様々な使い方があります。数字としてそれらの数値が出て眺めるだけで、大きな効果がある複式簿記の家計簿。皆さんもぜひ始めてみてはいかがでしょうか。